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はじめて、そのふしぎなすい星を発見したのは、イギリスの天文学者でした。そのすい星はいままでに知られている、どのすい星ともちがった、奇怪なすい星でした。
すい星といえば、天空のまい子のような星で、後ろに、ほうきのようにひらいた、白い光の尾をひいているのがふつうですが、こんどのすい星は、その光の尾が、ネジのように、グルグルまわっているのです。光のネジは、さきのほうほどふとい輪になって、それがゆっくり、ゆっくり、まわっているのです。
発見されるとすぐ、その望遠鏡写真が、世界中の新聞にのり、大さわぎになりました。各国の天文学者は、大望遠鏡にしがみついて、そのすい星をしらべました。
それは、天文学では、まったく知られていなかった、ふしぎなまよい星で、とつぜん大熊座の方角から、地球の方へちかづいてくるのが発見されたのです。さいしょに発見した天文学者の名まえのかしら文字をとって、それにRすい星という名がつけられました。
しばらく日がたつと、Rすい星は肉眼でも見えるほどに、ちかづいてきました。ネジのような光の尾が、グルグルまわっているのも見えるのです。
夜になると、東京でも、ニューヨークでも、ロンドンでも、パリでも、モスクワでも、世界中の人が、空をあおいで、このきみのわるいすい星をながめるのでした。そして、しんぱいそうに、ボソボソと、ささやきあうのでした。
そのうちに、おそろしいうわさが、ひろがってきました。
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